日本酒ってなあに?その2
出雲杜氏の小島です。
前回の日本酒ってなあに?その1では、日本酒には2つの定義があるとお伝えしました。
1に関しては、税務署でもwikiでも酒の本でも同様に書かれています。
日本酒はビールやワインやウイスキーと同じように、定義付けられた酒類の中の1つとして扱われていますね。
2に関しては、確固とした数値や証拠がない抽象的な定義ですね。税務署やwikiや酒の本もググってもこの答えを明確に回答しているところはありません。
日本酒は私たち日本人と同じ「日本」という言葉を与えられているお酒なのに、その根拠がわからずにとてもモヤモヤしてしまいます。
日本酒には「日本民族固有の酒」きという他の酒類と違う隠された世界がああります。それが何かをこれから探っていきましょう。
日本人とは
日本民族固有の酒とは、日本人の酒ということですね。
まず「日本人とは何か」ということを知らなければいけませんね。
ググります。
いちばん大事なのはこのあたりですね。
・出生の時に父又は母が日本国民であるとき。
・日本民族を自らのアイデンティティとする人。
日本人とは、国籍法で決められた具体的な定義と、自らは日本人であるという抽象的なアイデンティティで成り立っているようです。
・出生の時に父又は母が日本国民であるとき。
父や母が日本人だから私も日本人。父や母が日本人ならその父母(祖父母)もどちらかは必ず日本人。
このことが遡っていくから私の祖先も日本人なのでしょう。
・日本民族を自らのアイデンティティとする人。
私は日本民族のアイデンティティを持っているから日本人である。
これはかなり抽象的ですよね。
現代人に「え?なにそれ。それって自分で日本人って言ってるだけじゃね?エビデンスを示してくれないと日本人とは認められないよ」と突っ込まれてしまいそうです。
もう少し探って、今度は民族とはなにか。
ややこしい…。けれど同一の文化習俗を有する集団。これに尽きるでしょう。
日本の文化風習を有する人が日本人ということですね。
日本に住んでいなくても、日本の文化風習を有していたらそりゃもう間違いなく日本人です。
これで日本人とは何かがある程度わかりましたね。
日本の文化
では、日本の文化って具体的になによ。そもそもいつからこの日本列島は日本国なんだろう。どんどんドツボにはまっていきます。
いろいろ調べました。
日本wiki
ヤマト王権wiki
神武天皇wiki
古事記wiki
結論、いつからこの地が日本なのか分からない。
この国の成り立ちや起源は神話に置き換わっているので、日本をつくった人はだれか、何をもって日本としたのか、その真相は一般人には分かりません。稗田阿礼の手のひらの上で踊らされていますね。
過去を見てもわからないなら今を見よう。現代で、唯一、日本人を象徴しておられる方が存在しています。
天皇陛下は私たち日本人(おおみたから)の象徴をなさっているそうです。
日本人(おおみたから)という概念をその存在と行動で表現なさっておられるとのこと。
では天皇陛下の具体的な行動を見てみましょう。
宮内庁の説明では日本の伝統文化として和歌、学問、宝物、雅楽、古式馬術、稲作、養蚕、祭儀を継承されているようですね。
日本人の象徴たる天皇皇后両陛下が伝統文化の継承として行っておられることは、まさしく日本人の伝統文化といえるものでしょう。
天皇皇后両陛下が継承なさっている文化=日本の伝統文化というのは、私たちにとって具体的な根拠になりそうです。
これらの文化が日本という概念を構成しているのでしょうか。
日本の風習
続いて日本の風習とはなんでしょうか。
文化は大枠で、風習は土地ごとに存在する社会生活上のならわしやしきたりのこと。地域による違いのことだから、文化よりももっと小さく、いっぱいあるよと。風習がいっぱい集まって文化になってるということでしょうか。
風習とは衣食住、方弁、しきたり、習わし、冠婚葬祭の違いなどのこと。現代の秘密のケンミンSHOWなんかでやっているようなことでしょうか。迷信、昔話、民謡、民芸なんかも密接に関係しているのでしょうね。
風習は地域差や規模が様々で、はっきりとした伝承、証拠があるようなものではない、象徴的なものらしい。
日本文化という大枠の中に小さな風習がいくつもあるようなイメージでしょうか。
この文化と風習の環境や経験値の違いによって、それぞれのアイデンティティを形成しているのでしょうね。
まとめ
今までのことを全部くっつけます。
日本民族(日本人)とは
・出生の時に父または母が日本国民であること
・日本の伝統文化(天皇皇后両陛下が継承する文化)のもと、各々の地域の風習を有する人。
省略するとこんな感じですね。
・日本人とは日本人を祖先にもち、日本の伝統文化と風習を有する人。
日本人の定義がわかったので、最初の日本酒の定義である「日本民族固有の酒としての日本酒」と合体させてまとめてみます。
うん。なんだか最初の「日本民族固有の酒」に戻ったような気がしますね。しかし、その「日本民族」の中身がちゃんとわかって、すこしスッキリした様に思います。
皆さんはいかがでしょうか。
日本酒が日本人の酒だなんて当たり前のことですよね。
でも私は今まではっきり言えなかった様な気がします。
これで「日本酒ってなんですか?」って聞かれた時に、胸を張って「日本酒とは私たち日本人を表現したお酒です。」と答えられます。
なんだか日本酒を造ること、飲むことに誇りを持てるような気がしてきました。外国の方にも胸を張って紹介できそうです。
次回、日本酒ってなあに?3では、もう少し、日本について踏み込んで見ていきましょう。
2020.8.6 天穏HP記載