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それでも日本酒にイエスという7 情緒の表現

情緒の表現

日本の偉大な数学者、岡潔先生は言いました。



「人の心にある情が事象によって動かされ、情緒が生まれる。

情緒は自身の心の中に生まれたものであって、他者には伝えられないものである。

しかしその情緒を人に伝えようとする気持ちが情熱であり、その情熱が人を納得させる詩(うた)となる。

人間は情緒を具体的に物質にする力を持っている。

言葉にできない、伝わらない心の情緒が伝わるから私たちは感動するのだ。」


おお…(感嘆)。


言葉にできない情景を、人に伝えることのできる形に具現化する。

もしそれができれば、私の素直な愛を人に与えることが出来るかもしれない。



私が美しいと思う心の景色を絵にすることで人に伝えることが出来る。

私が感動した気持ちを歌や踊りにすることで人に伝えることが出来る。

私が美味しいと思う味わいを料理にすることで人に伝えることが出来る。

私が好きだという気持ちを言葉や表情にすることで人に伝えることが出来る。


私たちは自己情緒を表現する技術を身につけることで、他者に愛を与えることができるようになる。もしそれが出来たのなら、相手の自我をすり抜けて愛を与え、人を感動させることが出来る。



感動してもらえたのなら、私はあなたに愛を与えられたということだから、きっと彼もいつか愛を与えてくれるだろう(期待しちゃいけないけど)。

そうしたら僕らは仲間だし、そういう人が大勢いるならそれは群れだから、もう孤独になることはない。


私たちの冒険は、まず情緒を形にする修業をする所から始まるのかもしれません。冒険を続けていけばそれが職業になったり、趣味になったりして、情緒の具現化が上手に出来るようになる。


それが人に伝わるようになったときには、もう他者や社会からある程度、愛を与えられている、安心することの出来る場所を見つけている状況になっているのではないでしょうか。

このように心の情緒を素直に表現できるのであれば、自己愛は自ずと抑えられる。


そうなればあなたの自我の形はもうギザギザではない。

孤独と哀しみにおびえる必要はもうないのかもしれない。 


・愛を与えることは、自分の情緒を具現化して相手に伝えること




いい酒とはなにか



冒険は果てしない。


若い頃はとことん悩むし、大人になってもからも悩みは尽きるどころか増えていく。表現できるようになればなるほど背負うものも増えていく。


それでも表現し続ける。


悩みながらも冒険を続ける姿を見て、情熱を感じてくれる人もいる。

愛を与えられていると感じてくれる人たちがいる。


表現したお酒がどんな形であっても、情熱が溶け込んでいれば、きっと大丈夫。


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