もろみ

 

[杜氏のこらむ]  日本酒ってなあに?その1

 

杜氏の小島です。

日本酒を造っていて常々思うのですが、日本酒ってなんでしょうね。

 

他の酒と違って「日本」という名がついているし、御神酒(おみき)だったり、國酒(こくしゅ)だったり、色々な呼ばれ方をしています。

 

そういう訳で、分からないことはさっそくググる。

 

日本酒を統括している税務署の酒税法によると

 

・米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの

・米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの

・清酒に清酒かすを加えて、こしたもの

・アルコール度数22度未満であること

 

これらが日本酒を名乗ることのできる条件だそうです。

簡単に言うと、「米と米こうじを発酵させて濾したアルコール22%未満の液体」ということですね。

 

ん~。なんかこれではしっくり来ません。

だって日本酒って伝統とか、文化とか、なんだか権威のある誇れるものっぽいですよね。

それなのに、この「米と米こうじを発酵させたアルコール22%未満の液体」ってところからは伝統や文化を有していると読み取れません。

 

続いては酒造りをする会社・酒蔵の組合

 

日本酒造組合に日本酒とは?という項目がありました。

日本酒の歴史の項目を見ると、700年代に播磨風土記に米を使って酒を醸した記述があると書かれています。

 

書かれていない‥。

 

wikiや税務署とだいたい同じで数値的な話しかありません。

 

そして日本酒を造る職人の組合、私も所属している日本杜氏組合を見てみます。

 

情報がない…。

 

ここでは特に日本酒を定義する記述がありませんでした。

 

最後は酒蔵や杜氏を目指す蔵人なら必ず持ってる酒造りの本「清酒製造技術」通称、赤本を見てみましょう。

 

赤本

 

 

赤本2

 

清酒は古来、わが国わが民族固有の酒であり、酒といえば清酒(日本酒)のことである。

 

お、今までとは違う記述「民族固有の酒」と書かれています。

 

あとは大体同じですね。

 

日本酒にはどうやら「税法上の酒としての日本酒」の「日本民族固有の酒としての日本酒」と2つの面があるようです。

 

「税法上の酒としての日本酒」は具体的な定義ですから、wikiを見ればだいたい分かりますね。

ここから細分化して精米歩合や吟醸、酵母の話に続いていきます。

 

私たちが普段飲んでいる美味しいお酒としての日本酒は、この範疇で収まるような気がします。

 

そして「日本民族固有の酒としての日本酒」。

 

何やら抽象的ですね。

しかしこの中に伝統や日本、國酒、御神酒といったよく分からない日本酒の姿がありそうな気がします。

 

結婚式で飲んだり、家を建てる前に地鎮祭でお酒を撒いたり、神社で御神酒を飲んだりお供えしたり。

 

ビールやチューハイではそんな事やらないのに、日本酒だけなんだか特別っぽい。

 

その理由がこの「日本民族固有の酒としての日本酒」の中に隠されていそうです。

 

 

 

日本酒はなにやら私たち日本人にとって特別なものらしいんだけど、民族固有の酒というのは抽象的だから、どこにも詳しく書いてないし、ググってもよくわからないから、うまく説明ができない。

 

現代人は抽象的なもの、数値化出来ない、証明できないことが苦手ですから、抽象的な日本酒が分からなくなるもの当然ですね。

 

そんなよく分からない日本酒が、私たち日本人にとって一体どんなものなのか。

 

日本酒とはなにか。

 

その答えを探していきたいと思います。

 

 

まとめ


日本酒には2つの定義がある。

1.税法上の酒としての日本酒

2.日本民族固有の酒としての日本酒

 

このコラムでは2つ目の日本民族固有の酒とは何かを探っていきます。

 

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2020.6.5