日本酒ってなあに?その2 日本民族とは
 

なあに2

 

杜氏の小島です。

 

前回、[小島杜氏のコラム] 日本酒ってなあに?その1で、日本酒には2つの定義があるとお伝えしました。

 

日本酒の定義

1.税法上の酒としての日本酒米と米こうじを発酵させて濾したアルコール22%未満の液体

2.日本民族固有の酒としての日本酒

 

1に関しては、税務署でもwikiでも酒の本でも「」と書かれています。

日本酒はビールやワインやウイスキーと同じように、定義付けられた酒類の中の1つとして扱われていますね。

 

2に関しては、確固とした数値や証拠がない抽象的な定義なので、税務署やwikiや酒の本もググってもこの答えを明確に回答しているところはありません。

 

日本酒は私たち日本人と同じ「日本」という言葉を与えられているお酒なのに、ぜんぜんその根拠がわからずに、とてもモヤモヤしてしまいます。

 

日本酒にはきっと他の酒類と違う隠された世界があるはずです。

それは「日本民族固有の酒」という言葉の中に隠されていると思います。

それが何かをこれから探っていきましょう。

 

日本人とは

日本民族固有の酒とは、日本人の酒ということですね。

まず、日本人とは何か、ということを知らなければいけませんね。ググります。

 

なあに1

 

法務省国籍法 

 第一条 日本国民たる要件は、この法律の定めるところによる。
    (出生による国籍の取得)

 第二条 子は、次の場合には、日本国民とする。
    一 出生の時に父又は母が日本国民であるとき。
    二 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であつたとき。
    三 日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき。

 

日本人wiki

日本人(にほんじん、にっぽんじん、英: Japanese、Japanese people)は、

日本の国籍(日本国籍)を持つ人。
祖先が日本列島に居住していた集団(大和、アイヌ、琉球人など)。
日本民族を自らのアイデンティティとする人。もしくは、他者から、日本民族に帰属すると考えられている人。
日本語を母語とする人。

主に日本人という語は、日本国の法律で「日本国民」と呼んでいる日本国に国籍を有する人々の呼称として用いられる場合と、日本列島に起源をもつ民族集団を指す場合に用いられている。

 

いちばん大事なのはこのあたりですね。

 

・出生の時に父又は母が日本国民であるとき。

・日本民族を自らのアイデンティティとする人。

 

日本人とは、国籍法で決められた具体的な定義と、自らは日本人であるという抽象的なアイデンティティで成り立っているようです。

 

・出生の時に父又は母が日本国民であるとき。

父や母が日本人だから私も日本人。父や母が日本人ならその父母(祖父母)もどちらかは必ず日本人。

ループしていくから私のずっと前の祖先も日本人なのでしょう。血脈は重要ですね。

 

・日本民族を自らのアイデンティティとする人。

私は日本民族のアイデンティティを持っているから日本人である。ん~、かなり抽象的ですよね。

現代人に「え?なにそれ。それって自分で日本人って言ってるだけじゃね?国家資格とかTOEIC何点以上みたいに具体的に示してくれないと日本人とは認められないよ」と突っ込まれてしまいそうです。

 

もう少し探って、今度は民族とはなにか。

 

なあに3

 

民族wiki

民族(みんぞく、英: ethnic group, ethnicity)とは一定の文化的特徴を基準として他と区別される共同体をいう。土地、血縁関係、言語の共有(母語)や、宗教、伝承、社会組織などがその基準となるが、普遍的な客観的基準を設けても概念内容と一致しない場合が多いことから、むしろある民族概念への帰属意識という主観的基準が客観的基準であるとされることもある[1]。

また、日本語の民族の語には、近代国民国家の成立と密接な関係を有する政治的共同体の色の濃い nation の概念と、政治的共同体の形成や、集合的な主体をなしているという意識の有無とはかかわりなく、同一の文化習俗を有する集団として認識される ethnic groupの概念の双方が十分区別されずに共存しているため、その使用においては一定の注意を要する。 

 

ややこしい…。けれど同一の文化習俗を有する集団。これに尽きるでしょう。

 

日本の文化風習を有する人が日本人ということですね。

日本に住んでいなくても、日本の文化風習を有していたらそりゃもう間違いなく日本人です。

 

日本人の定義

・出生の時に父または母が日本国民であるとき。

日本の文化風習を有する人。

日本の文化

日本の文化ってなによ。具体的に説明してよ。

そもそもいつからこの日本列島は日本国なの?

 

どんどんドツボにはまっていきます。

 

日本wiki

ヤマト王権wiki

神武天皇wiki

古事記wiki

 

結論

いつからこの地が日本なのか分からない。

この国の成り立ちや起源はなぜか神話に置き換わっているので、日本をつくった人が何をもって日本としたのか、その真相は一般人には分かりません。稗田阿礼の手のひらの上で踊らされていますね。

 

過去を見てもわからないなら今を見よう。

現代で、唯一、日本人を象徴しておられる方が存在しています。

 

なあに4

 

天皇wiki

象徴天皇制wiki

日本国憲法における天皇[編集]
日本国憲法第1条は、天皇を日本国と日本国民統合の「象徴」と規定する。その地位は、主権者(主権在民)たる日本国民の総意に基づくものとされ(前文、第1条)、国会の議決する皇室典範に基づき、世襲によって受け継がれる(第2条)。天皇の職務は、国事行為を行うことに限定され(第7条)、内閣の助言と承認を必要とする(第3条)。国政に関する権能を全く有さない(第4条)。

なお、帝国憲法においても、元首たる天皇は、明文規定がなくとも、当然に国家の象徴であった。現行憲法においては、実質的な(=内閣総理大臣が行使する行政上の)権限がない点で帝国憲法と異なる。これを強調し、「象徴天皇制」という。

 

百姓(おおみたから)

天皇が治める、国民、臣民、人民。おおんたから。

「おおみたから」は大和言葉であり、「大御宝」の意である。旧仮名遣いでは「おほみたから」と書かれる。

漢字では、「百姓」「蒼生」「衆庶」「人民」「民」といった字が当てられるが、このような一般大衆を、大王(おおきみ)は「おおみたから」と呼び慈しんだ。

これは、単に支配下の人民から搾取するだけの西洋王侯貴族とは異なり、天皇が神道の司祭の長であり、皇祖皇宗に「国中平らかに安らけく」と祈る役にあったことによる。


その語源は,古代中国において族姓を有するすべての人のことで,百とは族姓の多いことを示す語である。日本古代の百姓は,オオミタカラ,ミタミなどと呼ばれ,古代王権のもとにあった王民,公民,良民全体を含みこんでおり,律令制下では一般戸籍に編戸された班田農民,地方豪族,官人貴族らは,すべて百姓とされた。

 

天皇陛下は私たち日本人(おおみたから)の象徴をなさっているそうです。

日本人(おおみたから)という概念をその存在と行動で表現なさっておられるとのこと。

 

天皇陛下の具体的な行動を見てみましょう。

 

宮内庁 天皇皇后両陛下のご活動より

和歌は長く皇室の伝統として重んぜられ,両陛下は行幸啓などの折に触れ,歌をお詠みになります。宮中では,鎌倉時代中期に始められたと言われる歌会始の儀が毎年1月に行われ,ここでは,全国から詠進された和歌の中から選ばれた十首が,両陛下の御製(ぎょせい)・御歌(みうた)などとともに,伝統に則り披講されます。

毎年1月,両陛下は明治2年に遡る講書始の儀に臨まれ,人文科学,社会科学,自然科学の各分野における学問の権威者からご進講をお受けになります。

その他,正倉院や京都東山御文庫などに収蔵されている宝物や御物は勅封によって保存されており,また,雅楽,古式馬術などが宮内庁によって継承されています。

天皇陛下は,我が国の農耕文化の中心である稲作について,昭和天皇のお始めになった行事を上皇陛下からお引継ぎになりました。春には種籾をおまきになり,初夏に田植えをなさり,秋には稲刈りをなさいます。

皇后陛下は,昭憲皇太后が明治4年にお始めになったご養蚕を上皇后陛下からお引継ぎになりました。皇居内の紅葉山御養蚕所で,春から初夏にかけて,掃立て・給桑(きゅうそう)・上蔟(じょうぞく),繭かきなど養蚕の各段階の作業が行われます。長年飼育されて来た日本在来品種「小石丸」は,正倉院宝物の絹織物の復元に最もふさわしい糸であることが確認され,この品種を増産し,上皇后陛下は平成6年(1994年)から平成21年(2009年)まで,正倉院にお贈りになり,貴重な古代裂の  あしぎぬや羅ら,綾あや,錦にしき等の復元がなされてきました。また,平成17年(2005年)には,鎌倉時代の絵巻「春日権現験記絵」(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)の表紙裂と巻緒の修復のためにもお贈りになりました。

なお,家蚕のほかにも天蚕を野外天蚕室で飼育されています。

天皇皇后両陛下は,皇太子同妃両殿下の時代から,宮中三殿(賢所,皇霊殿,神殿)における祭祀を大切にしてこられました。古くから伝えられる祭儀を忠実に受け継がれ,常に,国民の幸せを祈っておられます。

 

宮内庁の説明では日本の伝統文化として和歌、学問、宝物、雅楽、古式馬術、稲作、養蚕、祭儀を継承されているようですね。

 

日本人の象徴たる天皇皇后両陛下が伝統文化の継承として行っておられることは、まさしく日本人の伝統文化といえるものでしょう。

 

天皇皇后両陛下が継承なさっている文化=日本の伝統文化というのは、私たちにとって具体的な根拠になりそうです。

これらの文化が日本という概念を構成しているのでしょうか。

 

日本の伝統文化(天皇皇后両陛下が継承する文化)

和歌、学問、宝物、雅楽、古式馬術、稲作、養蚕、祭儀

 

なあに5なあに7なあに6なあに9

日本の風習

続いて風習とは。

 

風習wiki

風習(ふうしゅう、custom)とは、土地ごとに存在する社会生活上のならわしやしきたりのこと。風俗習慣。行為伝承のひとつ。地理、歴史、その地域の産業の違いによって顕在化し人々の行動や思考パターンに影響を与える。学術的には歴史学、民俗学の研究対象とされることが多い。

風習の特徴[編集]
風習は、文化という概念に比べ、より狭い地域での特徴を指す。風習がより多くの人々に受け入れられ様々な地域に通用する存在になるとそれは文化となる。例えば結婚制度において農村部では「家」の概念が強く複数世代の同居や伝統的な性差による役割の分類が根強く存在しているのに対して都市部では薄れているという現状がある。この2つの考えは相容れず、概念の摩擦が起こりやすい。よってこの概念は限られた地域にのみ通用するので風習と定義されるが、地方や都道府県、国家単位での共通概念は文化と定義される。

文化との関連性[編集]
日本における文化とはかつて文明という言葉と同義で用いられていたが現在では精神的な概念として捉えられる傾向があり実利を生み出す文明とは一線を画している。風習は実利を創り出すものではないが文化に比べ目に見える、形式的な概念であることから、風習は文化と文明の中間的な立場に存在するものであり通用する地域が限定的である、といった定義づけが出来る。

 

文化は大枠。風習は土地ごとに存在する社会生活上のならわしやしきたりのこと。

地域による違いのことだから、文化よりももっと小さく、いっぱいあるよと。

 

衣食住、方弁、しきたり、習わし、冠婚葬祭の違いなどなど、現代の秘密のケンミンSHOWでやっているようなことでしょうか。

迷信、昔話、民謡、民芸なんかも密接に関係しているのでしょうね。

 

風習は地域差や規模が様々で、はっきりとした伝承、証拠があるようなものではない、象徴的なものらしい。

 

日本文化という大枠の中に小さな風習がいくつもあるようなイメージでしょうか。

この文化と風習の環境や経験値の違いによって、それぞれのアイデンティティを形成しているのでしょうね。

 

なあに10

 

日本の風習

土地ごとに存在する社会生活上のならわしやしきたりのこと。

 

なあに8

日本民族とは。まとめ

今までのことを全部くっつけます。

 

日本民族(日本人)とは

・出生の時に父または母が日本国民であること

・日本の伝統文化(天皇皇后両陛下が継承する文化)のもと、各々の地域の風習を有する人。

 

省略すると


・日本人を祖先にもち、日本の伝統文化と風習を有する人。

 

そして最初の日本酒の定義、「日本民族固有の酒としての日本酒」と合体させてみます。

 

日本酒とは、日本人を祖先にもち、日本の伝統文化と風習を有する人たちを表現する酒。

 

つまり、

日本酒とは日本人の酒。

うん。なんだか最初の「日本民族固有の酒」に戻ったような気がしますね。

しかし、その「日本民族」の中身がなんとなくわかって、すこしスッキリした様に思います。

 

皆さんはいかがでしょうか。

 

日本酒が日本人の酒だなんて当たり前のことですよね。

 

でも私は今まではっきり言えなかった様な気がします。

 

これで「日本酒ってなんですか?」って聞かれた時に、

「米と米こうじを発酵させた酒です。美味しいですよ。」と当たり障りのないことを言わなくて済みそうです。

 

胸を張って「私たち日本人のお酒です。」と答えられます。

 

なんだか日本酒を造ること、飲むことに誇りを持てるような気がしてきました。外国の方にも胸を張って言えそうです。

 

次回、日本酒ってなあに?3では、もう少し、日本人の酒について踏み込んで見ていきましょう。

 

 

2020.8.6更新