純米 無濾過生原酒 R2BY

#Concept
【R2BY】
毎年、恒例の新酒の生原酒です。今年は米の悪さが予想されており、最悪だった22BYの再来だという話もあって序盤からプレッシャーのかかる酒造りでした。
たしかに昨年より硬い米質でしたが昨年後半から取り組んだ解決作が今年もすんなりハマり、問題なくハゼ込みのある良い麹と酒ができました。
7号酵母で、上槽時グルコースは1%以下、高アルコールなのに悪い酸と悪いアミノ酸が低い、現代にはあまりないタイプの日本酒です。
そこに私は醪コントロールで口当たりの柔らかさを、三日麹でふくよかな旨味を、長期発酵で爽やかな吟香を乗せているため、低グルコースでもガチガチに
感じることなく飲めるように味わいを仕上げています。低グルコース、低アミノ酸なので開栓後の伸びしろよく、老ねや劣化リスクも少ない酒です。
当たりが優しいのに味わい深い、味わい深いのに軽やか、軽やかなのに酒が強い、相反する性質をいくつももつこの酒造りの楽しさをぜひ感じて
いただきたいと思います。前からでも横からでも後ろからでもなく、真上から俯瞰して、時間とともに酒を捉えられる人にとって天穏は最良のお酒となるでしょう。
#Tasting
香り…吟香、4MMP(マスカット)、白桃、エステル、高級アルコール、麹の甘香、アルコールの草っぽさ、香り高く華やか
味わい…山水のような硬質できれいな口当たり。甘いようで甘くない麹の甘さと酸が軽やか。
余韻…悪意ある苦さは少なく、生原酒のアルコールのフィネスと新酒の渋みが引き締める。爽やかでドライな切れの後、麹の甘みとノージングで感じられた味わいが戻ってくるため起承転結がしっかりある酒で面白い。
香りのボリューム感がありつつ清涼。華やかで深いのに軽やかでクリアで余韻もある。
開栓後の伸びに期待が持てる。森林や山の水を思わせる酒でした。
今までのこの五百万石の新酒生原で一番いい出来です。
うまく今年の米にアジャストできているので、酒造りに大きな修正の必要もなく、今後のR2BYの酒に期待が持てます。
テイスティング 杜氏 小島
B +4.7
TA/AA 1.7/1.0
グルコース0.83%
醪32日
#Information
原材料名 | 米・米こうじ |
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原料米 | 奥出雲産五百万石 |
アルコール | 17.4度 |
精米歩合 | 60% |