大山と山田錦

大山 山田錦

出雲について

出雲図出雲3

現在の島根県出雲市

 

出雲は島根県東部に位置し、出雲平野と宍道湖、日本海や出雲北山山系、中国山地に囲まれた穏やかな土地です。

宍道湖、出雲大社、玉造温泉などの観光地に加え、海・山・湖からもたらされる豊富な食材とお米の良さ、地酒の美味しさが特徴です。

板倉酒造はその出雲の中心、出雲市駅より車で5分程に場所に位置し、約150年間、酒造りをしています。

 

 

出雲4

広い意味での出雲地方

 

出雲2

出雲藩

 

現在の出雲市は島根県の東に位置しており、市としての範囲が決められています。

しかし、もともとの出雲は現在の出雲市よりももっと広い範囲の地域を指す地名でした。

出雲は水と食料が豊かで、古くから人が住み着き、四隅突出古墳や縄文遺跡が多く出土し、日本の古い文明地として知られています。

弥生~古墳時代において、出雲は大陸に近いため鉄や翡翠、黒曜石の貿易で栄えたと言われています。

出雲の歴史は古事記において神話として残され、全国に広がり大国主や少名彦など国中の神社で出雲の神々が祀られる事となりました。

 

縄文の出雲

4,000年前の出雲 日本海と繋がり、宍道湖を通り、再び日本海に抜ける島のような地形

 

このように出雲は縄文時代より続く古い文化と民俗を残す土地です。

出雲は古代人の思想である生命信仰、精霊信仰、アニミズムといわれる自然信仰を持ち、その象徴として出雲の3つの大きな山を信仰していました。

 

それが東の大山(鳥取県米子市)、西の三瓶山(島根県大田市)、北山の鼻高山(島根県出雲市)です。

 

もともと出雲という土地は、この3つの神名火山(かんなびやま‥神が宿る山)に囲まれた土地のことを出雲といいます。

現代では県や市で区切られていますが、本来の出雲は東の大山から西の三瓶までを指す地名です。

 

大山

大山

 

さんべ

日本海からの三瓶山

 

王院

鼻高山

 

 

出雲のお米とお水にこだわる

出雲平野

鼻高山から望む出雲平野と宍道湖

 

天穏の特定名称酒は全て出雲産(大山~三瓶)の米と水を使用しています。

酒米は奥出雲産の五百万石、佐香錦、改良雄町、縁の舞。そして大山八郷産の山田錦を使用しています。

仕込み水は全量、鼻高山系の伏流水を使用しています。山水のため清らかでミネラルの溶け込んだ中硬水の名水です。

 

米はその土地の営みの象徴です。

農家が代々受け継いだ田んぼで作った大切なお米を預かり、代わりにお酒にすることが私たち酒蔵の存在理由だと考えます。

 

天穏が出雲の代表として、出雲の米と水を使い、出雲杜氏が酒にする。

出雲の方々の代わりに出雲の神や自然やご先祖様に感謝の祈り捧げる御神酒を造る。

そんな気持ちで天穏を造り続けようと思います。

 

米の品種と特徴

奥出雲

奥出雲の棚田(縁の舞)

精米

自家製米

 

◎五百万石 奥出雲

全国的にも知らいる酒造好適米で島根でも多く栽培されています。

収穫が最も早い早生(わせ)品種です。米が硬質でミネラル感と渋みのあるスッキリとした酒質になりやすいのが特徴です。

扱いが用意で、天穏ではレギュラーの五百万石に多く使用しています。

 

◎佐香錦(さかにしき) 奥出雲

島根県オリジナルの酒造好適米です。改良八反流を母に、金紋錦を父に持ちます。改良八反流の祖先には農林44号を経由して「旭」。金紋錦はたかね錦を母に、山田錦を父に持つので、たかね錦を経由して北陸12号、山田錦を経由して雄町の系統を受け継いでいます。

早生品種ですが近年では五百万石より軟質で、上手く造ると上品で伸びやかな酒質になり、神聖さや奥ゆかしい印象となります。

天穏の酒質と好相性で、とても人気のある酒米です。

割れが多く扱いが難しいため、酒造難度が高いとされています。

天穏では、馨、佐香錦 純米大吟醸、無窮天穏 齋香と代表銘柄が佐香錦で多くつくられています。

 

 

◎縁の舞(えにしのまい) 奥出雲

近年開発された島根県オリジナルの酒造好適米です。

早生から中生、割れにくく非常に期待が持てる酒米です。

試験醸造段階ですが、伸びやかで優しいニュアンスが出るため、天穏でもこの先多く使用するのではないかと思います。

 

◎山田錦 大山八郷

鳥取県大山の麓、八郷で造られる酒米です。山田錦自体認知度が高く兵庫県産などはブランドになっています。大山の八郷さんも非常に良い山田錦を造っています。

中生~晩生で、柔らかく、割れにくく、非常に中庸で酒造りがしやすい品種です。

旨味がほどほど、伸びやかさがあり、重くなく、スッキリした味わいで、酵母特性をよく表すことから品評会用に多く使われます。

天穏では純米大吟醸、無窮天穏 天頂など高価格帯で使われます。大吟クラスの原酒では非常に素晴らしいポテンシャルを発揮します。

 

◎改良雄町 奥出雲

島根県の酒造好適米です。改良と名前がついていますが、その特徴は雄町と殆ど変わりません。

中生~晩生で柔らかく、割れやすくて溶けやすい品種です。そのため味が多く出るので濃い酒やふくよかな酒が好きな人にとても人気があります。

割れやすい品種は非常に酒造難易度が高くなるため、腕が試される品種です。

雄町で綺麗な酒ができればほとんどの米は使いこなせるようになります。

天穏では純米大吟醸、生もとなど様々な商品で使われ、佐香錦と並んで看板となる品種です。

 

 

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三瓶山から見る出雲北山山系

 

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大山から出雲を望む