天穏のろ過について
天穏の濾過について
天穏・無窮天穏の特定名称酒(上記画像商品:純米酒・純米吟醸・純米大吟醸)は生酒、火入れともにろ過を行っておりません。天穏の特定名称酒は完全無ろ過です。
・すべての製品で山陰吟醸造りを行っているため、ろ過による香味の調整の必要がありません(米の溶かし方で味の強弱、香味の調整をしています)。
・グルコース濃度が低いこと、酵母溶解由来のアミノ酸が低いことによって上槽後の劣化が非常に少なくなります。
そのため、澱は自然沈下を待ってからの除去が可能となり、お酒の自然な風味や余韻を残すことができます。
そのため、澱などが混入、発生する可能性がありますが、品質に問題はありません。
天穏の瓶詰工程:上槽→自然沈下の澱引き1回目(一週間静置)→自然沈下の澱引き2回目(一週間静置)→生熟→瓶詰め
※澱部分は普通酒に合併
島根県内限定流通の普通酒(上撰・佳撰・特選)に関しましては炭濾過とSFフィルター濾過を行っています。
普通酒はお米をなるべく溶かして造ります。原酒は味わい、酸味、アルコールが豊かで暴れていますのでろ過をして味わいや香味の調整をします。
工程:上槽→自然沈下の澱引き1回目(一週間静置)→澱部分をSFフィルター濾過→火当て→炭→SFフィルター濾過→瓶詰め
・濾過とは
清酒の色を透明にする、味の調和を整える、劣化を防止するために行う工程。
・お酒の色
写真は上槽した直後のお酒です。
ろ過をしていないお酒の色で、どの様なお酒でも本来はこのような黄金色をしています。
この酒に炭の粉を入れる、ろ過器に炭を吸着させて酒を通過させることで炭が色を吸着し無色透明に近いお酒となります。
しかし、炭の香りが酒につくことがありますので分量に注意が必要です。
酒造用活性炭
その他、濾過材として珪藻土、柿渋、セルロース等がありますが天穏ではどれも使用していません。
現代の酒造業界ではSFフィルターが主流のろ過方法となっています。
◎SFフィルター
SFろ過器(板倉酒造)
SFフィルターろ材(上記SF濾過器の筒の中にこの濾材が入っています)
SFフィルターはろ材の匂いをつけずにろ過ができる優秀なろ過機ですが、味と香味、風味や余韻のような繊細なニュアンスを削ぎます。
味や香りの強いお酒には好相性ですが天穏の特定酒には不向きのため使用していません。
ろ過は目指すべき酒質に沿って行うもので、ろ過する、ろ過しないが良し悪しではありませんのでご注意ください。
SFフィルターは滓下げであり濾過ではないという理由で、SFフィルターを使用していても無濾過を表記している場合も見受けられます。
詳細を知りたい場合は製造元に問い合わせることで確認が取れます。
◎現代のろ過工程例
・普通酒・アルコール添加酒(上撰・佳撰)
上槽→SFフィルター濾過(澱除去)→火当て→炭→SFフィルター濾過→びん詰
上槽→カーボンフィルター+炭+セルロース→火当て+炭→SFフィルター濾過・カーボンフィルター→びん詰
・特定名称酒
上槽→SFフィルター濾過(澱除去)→貯蔵→SFフィルター濾過→びん詰