KODANEA こだね 雑穀入り発泡どぶろく  その他の醸造酒部門

 

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 KODANEラベル

 

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◎はじめに

私は「なぜ人は酒を造るのか、なぜ人は酒を飲むのか」という大きなテーマに沿って酒を造り続けてきました。
その過程の中で御神酒や生命信仰という概念・思想を知り、その事を日本酒として表現して来ました。

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今回はさらに日本酒の原型を探るべく、御神酒より以前の酒造りである口噛み酒をテーマに、雑穀入りのどぶろくの製造を行いたいと思います。

私は口噛み酒の精神性から「酒とは子種であり、ヒトの生存本能である」一つの考えに至りました。

 

石版

KODANEラベルデザインのもととなった縄文時代の遺跡から発掘された石版。左が男性、右が女性を表している。

口噛み酒は子種を得る手段。口噛み酒の精神性を表現する。

 

口噛み

口噛み酒wiki

 

口噛み酒というと、最も原始的な酒造りと言われ、若い女性が穀物を噛み、唾液の酵素でデンプンを糖にかえて発酵させる方法であると広く知られていると思います。
しかしながら現実にこの製法で酒を多く造っていたのおかと考えると疑問が湧いてきます。

 

なぜならば、口噛みでは人が噛んで唾液が触れた部分しかデンプンを糖化できないからです。


酵素は酵母のように増殖しないので、醪(もろみ)を1リットル造るには、米を1キロ以上も噛まないといけないのです。
5リットルなら5キロ、10リットルなら10キロも噛まなくてはいけません。

私はそんな手間のかかる事を現実にやっていたとはあまり考えられないのです。

雑菌汚染の可能性も高くて失敗前提の造り方のようにすら思えます。

 

当時でも、麹を使った糖化は行われていたはずです(紀元前から麹は使われている)。

私は、口噛みという工程が、酒造りに必須の工程とは思えないのです。

 

粥

            土器で試作した雑穀のお粥(酒ではない)

口噛みはおまじない

口噛み2


ではなぜ、口噛みという効率の悪い酒造製法が現代でも伝わっているのでしょうか。

そのヒントは若い女性が噛むという部分にあると思います。
近年ヒットした映画「君の名は」でも若い神社の巫女さんが口噛みをするシーンが描かれていますね。


若い女性が噛む理由は何も「おじさんが噛んだ酒は気持ち悪いから嫌だ!若い女の子が噛んだ酒がいいんだ!」というような感情的な問題ではありません。

若い女性とは子供を産むことができる女性。
すなわち、新しい生命を生み出すことの出来る人が口噛みすることに意味があるのです。


若い女性が噛んだ穀物を入れることで、そのモロミに生命がやどり、発酵が始まるのだと古代の人は考えていたのではないかと思います。
もちろん口噛みには酵母は存在しないので、無意味なことなのですが、おまじないとして、命を生むという精神性をその酒に宿すために口噛みは行われていたんだと思います。

神社で口噛みの神事がみられるのは口噛みがおまじないであることの証明かもしれません。
少量の口噛みをモロミに入れることは、現代のアンプル酵母を入れる感覚に近い行為といえるでしょう。

 

巫女

酒は男を呼びよせ、種を出させるもの。酒造りは女性の生存戦略

 

男


出来た酒は滋養強壮のために男に飲んでもらいます。

古代人は女系家族であったと言われ(妻問婚wiki)、一家の長(現代でいう世帯主)は、その家で一番年齢の高いおばあさん(以降オババ)です。
そのオババのことを刀自(とじ…コトバンク)と呼び、オババは自分の家の女の子(子供の産める年齢)に口噛みさせて酒を造ります。刀自は杜氏の語源とも言われますね。

おばば

      リンゴを穀物に脳内変換して下さい

酒つくり

       男性をおばばに脳内変換して下さい

 


オババは造らせた口噛み酒で、他の家の男を呼び寄せ、男に酒を飲ませます。
オババは酒の栄養とアルコールで男を滋養強壮して、女の唾液で男を興奮状態にするのです。


そしてオババは酒の力でチート状態となった男と家の女をまぐわいさせて子孫(子種)を得ます。

古代の男女の夫婦関係は男が女の家に夜な夜な出向く通い婚なのです。

 

口噛み酒は男を呼び、男に子種を出させる道具であり、酒造りは女性の子孫獲得の生存本能といえるかもしれません。

 

妻問い

 

食虫植物

 酒で男を呼び寄せて捉える様はまさしく食虫植物のよう

 

人間は一番欲しいもののために酒を造る本能がある

出産米金

 

 

古代人は子孫を得るために酒を造るのではないかという話をしてきました。

古代人だった彼らも時代が進むにつれて、大きな群れを作るようになり、大規模な農耕を始めるようになりました。
いつしか日本と言う国ができ、古代人は大陸の渡来人と交って日本人となり、米を得るために酒を造り、やがて御神酒という概念が誕生します。

更に時代が2000年ほど進んだ現在、産業革命、資本主義、戦争、インターネットにより日本人は現代人となり、大事なものが米から金へと移行しました。
酒は米を得るための御神酒から金を得るための嗜好品と変化しました。

ヒトはその時代において最も大事なもののために、酒を造っていると言えるのかもしれませんね。

元をたどると、米も金も子孫繁栄のために必要なものです。
御神酒であっても、嗜好品であっても、酒は子孫繁栄のために造られるのではないかと今の私は考えています。

子種であり、御神酒であり、嗜好品でもある酒を造ることが出来れば、誰にとっても良い酒になるのではないかと信じ、このKODANEの製造を今後も行いたいと思います。

皆様にとって酒とはどういったものでしょうか。

 

時代

子種を連想させるどぶろくとは

想像


人間は想像する動物です。
グルメ番組をみたら美味しそうだと自分が食べた気になるし、相撲やプロレスを見たら興奮し、感動的な映画をみたら自分のことではなくても涙します。

ヒトは本能的に、自分が体験したことを自分の身に置き換えて想像してしまう習性があります(類化)。

味覚でいうと甘さが生を感じさせ、酸や辛さが痛みを想像させますし、音楽でも長調、短調で人が幸福に感じる、物悲しく感じるなど、どう感じるのかは各分野で実証されています。
そのため酒造りにおいても、味や香りや感覚をコントロールすることで、人に狙った感情を抱かせることが可能です。
 
◎子種を現実にするKODANEの酒造設計

・女性が造る…今期は女性蔵人を二名採用しています。麹つくり、櫂入れともに女性に行ってもらいました。
・滋養強壮となる…麹比率40%で濃糖、ビタミン類を多く供給できる雑穀を使用。また古代は白米だけの酒だったとは考えにくく、焼畑で得られる雑穀や芋が酒の主原料だったと推測される。
・生命を連想させる…瓶二次発酵どぶろくであること、また乳酸はお産や母体を連想させ、酸の痛みは生命を強く連想させます。そのため生酛と水もとの二種類で製造します。


強い滋養強壮効果を得るために、雑穀が入ることと、どぶろく状となっているため、清酒の区分を外れて、その他の醸造酒区分となります。
そのためにその他の醸造酒免許を取得しました。
 

女性女性2

 

 

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雑穀麹

 

入れる雑穀を麹にしたらより子種の力が増すのではないかと不意に思いついたため、雑穀を麹にしてみました。

 

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雑穀麹完成

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投入!!

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【2月末発売】
・KODANE 生酛 佐香錦60%+22種の雑穀(国産) 酵母無添加 冷蔵 瓶内発酵 720ml   限定800本  小売価格2,420円

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画像リンク製品案内へ

 

【3月末~4月発売】

・KODANE 水もと 改良雄町60%+22種の雑穀(国産) 酵母無添加 酵母無添加 冷蔵 瓶内発酵 675ml   限定800本 小売価格2420円

 

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製品としての私の初どぶろくであり、その他の醸造酒であり、今期の大意欲作です。

予約を受け付けていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

KODANEはそのままでももちろん美味しく食べられますが、白米のようにアレンジを加えて、KODANEのオカズを入れてみると、とても美味しくいただけます。

 

おすすめ

ゆず

ゆず+KODANE

 

あんこ

発酵あんこ+KODANE

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨年、1BY試験醸造、試験販売時のコンセプト文

 

KODANE

こだね 

 

私たちはなぜ酒をつくり、なぜ酒を飲むのでしょう。

その答えがこのKODANEの中にあるのかもしれません。

 

私は酒とは「子種」ではないかと思うのです。

 

私たちにとっていちばん大事なものは何でしょう。

一人の人間、純粋な生物としての答えは「子孫」ではないでしょうか。

 

私たち日本の礎となった旧石器、縄文時代において、

子供が生まれて満1歳に至るまでの生存率は50%以下だったとも言われています。

 

彼らにとっての「子孫」は、現代の「金」や日本人の「米」以上の存在であったに違いありません。

そんな彼らの子孫への願いを体現したものが、酒造りの原始的な姿である口噛み酒なのではないかと私は考えています。

 

古代人は女系家族であると考えられているため、家族の長は女性である老婆(おばば)です。おばばは刀自(とじ)と呼ばれ、家の中で、子供が産める年齢の女の子に穀物を噛ませ、酒を造ります。

 

人が雑穀や芋の粥を噛むことでデンプンが糖化され、野生酵母や酒造用の土器に伝わる酵母によって糖がアルコールに変換され、発酵が始まります。

 

発酵のメカニズムがわからなかった時代、発酵とは神や自然の奇跡を感じられる魔法のような神秘的な「おまじない」の儀式だったのでしょう。

 

アルコールの力は古代人に神や自然との同化を感じさせました。

 

この神の奇跡の力を宿した酒で女は男を呼び寄せ、男に酒を飲ませることで滋養強壮させる。そして男女がまぐわい、女は子種を得て、子供を宿します。

 

酒は生命、酒は子ども

酒は未来への希望を宿した生命の象徴なのかもしれません。

今回のKODANEはそんな生命の営みを表現してみました。

 

雑穀を使用してビタミン類を多く溶け出させること、

麹の比率を高くしアミノ酸を多くすること

瓶内発酵で湧き立つガスが酵母の生命感に

滋養強壮成分を多く溶け出させるための少し強めのアルコール

 

これらの現実的な製法で表現してみました。

どうぞ、お楽しみください。