無窮天穏SAGA(サーガ)

 

SAGAロゴ

 

この度、天穏の新シリーズ「無窮天穏サーガ」をスポットで発売します(2020年12月)。

 

この無窮天穏SAGAは私たちの酒造りのサーガ(血潮)である天穏の元杜氏 長崎芳久さん、鷹勇の元杜氏 坂本俊さんに捧げる日本酒です。

2020年冬~春、私の師匠である坂本杜氏、長崎杜氏のお二人が相次いで亡くなられました。

 

私の酒造りの手法は彼らから教わった山陰吟醸です。

彼らの想いや技術をこのお酒に込めて、それぞれお二人の名杜氏の特徴を再現するように醸造しました。

 

2020年12月発売

 

SAGAバナー

 

無窮天穏SAGA 山廃純米大吟醸 無濾過原酒 坂本俊respects(赤) (黒瓶1800ml/720ml 斐伊川真菰和紙ラベル使用)

無窮天穏SAGA 生もと純米大吟醸 無濾過原酒 長崎芳久respects(青) (黒瓶1800ml/720ml 斐伊川真菰和紙ラベル使用)

 

 

2021年1月発売

 

SAGAブレンド

 

無窮天穏SAGA 生もと&山廃純米大吟醸ブレンド 無濾過原酒 (黒瓶1800ml/720ml 斐伊川真菰和紙ラベル使用)

醸造設計

 

◎日本酒はサーガ(血潮)をつなぐもの

 

saga系譜

 

サーガwiki

叙事詩wiki

 

SAGAサーガとは、民族の英雄や神話、民族の歴史として語り伝える物語。

世代を超えた一家一門の物語を壮大に描くのことを表すそうです。

 

人間の血の物語。血統や血脈、血潮と呼ばれるものがサーガです。

(血潮という製品名にしたかったのですが血という字に問題があるのでサーガとしました)

 

サーガは我々の身近な親子や親戚関係の血縁から、天皇制や名家などの家柄、伝統芸能の歌舞伎役や茶道、華道の家元制度などにその姿が見て取れます。

いずれにおいても、その物事を正しく未来へと続けていくためにその血潮が守られてきました。

 

コジマ

出雲杜氏 小島達也

 

私たち酒造りの蔵人で言えば、杜氏組合や流派といったものがそれに当たるでしょう。

杜氏や蔵人は先人から技術を受け継ぎ、その技術を駆使して時代に合わせ、赴任先の銘柄を守ってきました。

 

杜氏は酒造りと同時に後進を育成し、杜氏レベルに育った蔵人を他蔵に派遣したり、自らが引退してその道を譲っていきました。

現代の日本酒のクオリティは、そのようにして技術をつないできた数多くの蔵人たちの功績なしには語ることができません。

 

ナンバ

酒母屋 南場和明

 

日本酒の素晴らしさは、血潮を守ってきた蔵人と、その積み重ねの歴史によって守られているのではないでしょうか。

私は二人の師匠を失い、そのことを強く感じるようになりました。

 

現代では高香気酵母、透過力の強い種麹、複数ろ過など、酒から製造した人間の意志が感じにくい状況になってきています。

このお酒はそれらのような方法は取らずに製造されたお酒です。

 

私は今回のこの無窮天穏SAGAで、天穏に流れる酒造りのサーガ・血潮を皆様に体感していただきたいと思います。

 

無窮天穏SAGA生もと純米大吟醸では天穏の元杜氏の長崎芳久の血潮(技術)を、無窮天穏SAGA山廃純米大吟醸では、鷹勇の元杜氏の坂本俊の血潮を感じられるように酒造設計をしています。

(※大谷酒造様の許可を得ています。)

 

上山

頭 上山直志

 

 

無窮天穏SAGA 生もと純米大吟醸 無濾過原酒 長崎芳久respects

 

saga生もと

 

長崎杜氏の造る酒の特徴は伸びやかで美しい、流麗という言葉が当てはまる流れるようなお酒でした。

水墨画のような印象のお酒です。

 

酒は全体的に米の汲水歩合が低く、米麹ももやし量の少ないハイカラな吟醸麹を造り、穏やかで、なだらかなモロミ曲線を描く酒造りをしていました。

 

酸のあるお酒が苦手だったらしく、米の表面を強く締めたり、表面菌糸を抑えた米麹、一日のモロミの温度変化量を少なくする基本的な吟醸造りを好まれたようです。

 

長崎杜氏のお酒は20年熟成すると、その深さと綺麗さに驚かされます。

熟成酒は老ねていることが滅多になく、その醸造レベルの高さが伺えます。

 

無窮天穏SAGAではこの酒造りを踏まえ、かなり制限した汲水量と、少量の種もやしで、非常にゆっくり発酵させました。

ここに生もとと三日麹をミックスし、長崎杜氏の発展型になるように設計しています。

 

テイスティングコメントは無窮天穏SAGA 生もと純米大吟醸 無濾過原酒 長崎芳久respects製品ページへ。

 

無窮天穏SAGA 山廃純米大吟醸 無濾過原酒 坂本俊respects 

 

saga山廃

 

坂本杜氏の造る酒の特徴は綺麗さと力強さが同居するところで、力強い迫力のある吟醸酒といった印象です。

、私は坂本杜氏の酒造りを直接見たことがなく、経過簿も見たことがありませんので確証は得られていません。

 

私が色々な方から坂本杜氏の酒を飲ませていただいた中で思うことは、総ハゼ麹から突きハゼ麹の中間くらいの締まった米麹を造っていたであろうこと。

モロミ期間はそこまで長くなく、ダイナミックな経過をさせていたこと。

製品や時期によって酒造りの方法をいくらか変化させていることが想像できます。

 

今回の無窮天穏SAGAでは天穏の範囲の中でダイナミックな発酵を目指し、山廃と三日麹をかけ合わせて製造しました。

天穏の優しいニュアンスが入っているので、当時の固く、渋い、長期熟成を必要とする酒にはなっていません。

 

坂本杜氏の酒は鷹勇という酒蔵あってのものですから、天穏ではあくまで天穏×坂本杜氏をイメージして製造しています。

真の姿は大谷酒造さんで生まれるものでしょう。

 

テイスティングコメントは無窮天穏SAGA 山廃純米大吟醸 無濾過原酒 坂本俊respects製品ページへ。

無窮天穏SAGA 生もと&山廃純米大吟醸 無濾過原酒 

 

sagaブレンド

 

上記の無窮天穏SAGA 生もと純米大吟醸 無濾過原酒 長崎芳久respects、無窮天穏SAGA 山廃純米大吟醸 無濾過原酒 坂本俊respectsのブレンドです。

ブレンド比率は1:1ではなく杜氏が調整しています。

 

現在の天穏は長崎杜氏の酒造りをベースに生もとや山廃、突きハゼ三日麹を合わせた山陰吟醸造りをベースとしています。

29byでは坂本杜氏と出会い、それからは坂本杜氏の酒造りも取り入れるようになりました。

 

また、杜氏と主要な蔵人はそれぞれが数蔵を渡り歩き、他の杜氏や流派の酒造りも学んできました。

現在の天穏は、今までに酒造りに関わってきた先人たちの血潮を取り込んだ「営みの酒」になりつつあります。

 

その私たちの営みの酒を表現するために、無窮天穏SAGA2種をブレンドしました。

長崎杜氏、坂本杜氏、天穏の合作です。

天穏に流れる血潮を感じていただきたいと思います。

 

 

手のひらを太陽に透かしてみれば

 

手のひらを太陽に

 

私たちは血潮を感じる物事にこそ感動します。

心を震わす喜びも悲しみも、他者の存在がなければ感じられません。

単純な酒の味や香りだけではなく、その酒に流れる人と自然の大いなる営みを感じ取っていただきたいと思います。

 

 

参考「手のひらを太陽に」

 

ぼくらはみんな 生きている
生きているから 歌うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから かなしいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮(ちしお)
ミミズだって オケラだって
アメンボだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ

ぼくらはみんな 生きている
生きているから 笑うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから うれしいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮
トンボだって カエルだって
ミツバチだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ

ぼくらはみんな 生きている
生きているから おどるんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから 愛するんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮
スズメだって イナゴだって
カゲロウだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ

 

血潮のイメージ画像

 

夢想転生

 

 

 

無窮天穏SAGAの飲み方

◎ラベルをはがして、瓶の下に敷く。

 

油団

 

天穏の味わいは、利き酒方式で判断する鼻先や舌先の一瞬の味わいだけには留まりません。

ノージング、テイスティング、アフター、更には何回も飲み重ねることによって味わいが変化していきます。

 

多層的で時間に作用する味わいを楽しむために、とても有効な飲み方があります。

 

それは、目に見える情報をカットすることです。

 

純粋な私たちは、目で見たり聞いたりする物事に、知らず識らずのうちに影響されています。

広告やデザインに影響されては物事の本質は見えてきません。

 

酒が本当に美味しいと思えるときは、なんの先入観もなく、酒の味わいを感じて、その自然と人の営みを想像しているときです。

 

酒を造る杜氏の私が酒を美味しいと思うタイミングは、酒を搾って垂れ口から飲むとき、タンクから酒をすくって飲むとき。

ラベルができる前の酒をテイスティングするときです。

 

見た目の先入観なく飲む酒の美味しさと楽しさは格別なのです。

 

ラベルなど剥がしてしまい、裏返して、ボトルやグラスのコースターにしてしまいましょう。

 

敷物いろいろ

和紙は水を吸ってもまた乾かせば何度も使えます。

 

◎斐伊川マコモ和紙の最強浄化プラセボ効果を利用。マコモ+和紙は史上最高の敷物。

 

まこも

真菰(マコモ)wiki

出雲国マコモの会より

 

真菰とはイネ科の植物で、田んぼや湿地帯を好むため、日本には数多く存在していました。

水をよく吸い、不純物を浄化すること、成長の速さ、青々とした姿は、古代から中世の人間に強い聖性を感じさたようです。

 

そのため真菰は出雲筵(いずもむしろ‥マコモでつくったゴザ)として利用され、お供え物や神聖な場所に入る前の中間地点に敷かれるものとして多く利用されてきました。出雲はその筵の特産地として万葉集にも記載されています。

出雲大社では凉殿祭(すずみどののまつり)というマコモの上を出雲大社の宮司が歩く神事が今も残っており、マコモの上にあるものは浄化されると信じられていたことを示しています。

 

すずみど神事

マコモ神事

ゴザ

筵(むしろ)

 

敷物

お供え物に敷かれる紙

 

マコモは時代の経過ととも利用されなくなっていきます。その理由は和紙と畳の出現です。

お供え物の下に敷くものはより洗練性と精神性に長けた和紙(カミ)に。室内の敷物は畳に置き換わり、マコモは姿を消します。

 

斐伊川和紙

斐伊川和紙

 

無窮天穏シリーズで使われている斐伊川マコモ和紙にはマコモが配合されています。

 

カミを意味する出雲和紙であり、マコモでもある斐伊川マコモ和紙は、最高の聖性をもつ敷物(油団)となります

 

 

無窮天穏のラベルは敷物です。

無窮天穏のラベルは剥がしてボトルか器の下に敷きましょう。

 

酒の旨さ=酒のクオリティ×酒の血潮×プラセボ効果

 

斐伊川マコモ和紙のプラセボ効果で美味しさが30%アップするかもしれません。

 

 

◎ゆっくりじっくり飲む

敷物さいめ

 

ラベルを剥がし、ボトルの下に敷いたらあとはゆっくり飲むだけです。

その酒にどんな血潮が宿っているのか、それを味わいや香りから想像していただければと思います。

 

その結果として無窮天穏が飲む人の営みの一部となることを願います。

 

杜氏

天穏鷹勇