R2BY 生もと純米酒 改良雄町


#Concept
【R2BY】
毎年恒例の改良雄町の生酛1火です。今季のこの改良雄町の生酛は上山にある程度を任せて製造しました。
今季取り組んだ束上3日麹と上山の酒造りの性質で例年より強い印象を人に与える生酛になるだろうという予測をしていながら見ていました。天雲(60%)との差別化でこの酒は強めの酒質に変更していこうと狙いがあったためです。
結果としては予想通り、例年より強い印象の生酛になりました。
さらに上記の特性に加えて今季の生酛はアタックの酸が強めに出ており、野生酵母の影響を味わいから感じました。
これはおそらくですが、水もとの影響と、6号酵母が酒母室に入ったことによる酒母室内の環境の変化によるものだと思います。
7号と9号が支配的だった酒母室に水もとの乳酸菌、6号酵母が入ることで7・9号の支配が崩れ、酒母室の覇権争いが戦国時代のような状態に変わり面白い状況です。
多様な生物の痕跡を酒に取り込むことで中庸の味を得ることができます。どれかではなく、どれでもある。嗜好ではなく自然である酒を目指す私にとって良い酒母環境になってきました。
一方、残念なお知らせとしてこの生酛の生貯造中(瓶詰め待ち)にタンパク混濁が出てしまい、除去のためにSF濾過(活性炭素は不使用です)を行いました。生酛の1/3は無濾過、2/3はSF濾過になります。
タンパク混濁の前に瓶詰めした無濾過のもので、本数が1000本程度しかありません。無濾過がご希望の方は早めに確保お願いします。
あとはSF濾過(活性炭素は不使用)した生酛純米となりますのでご了承ください。(世に出ている酒のほとんどが濾過した酒なので濾過済みが普通といえば普通ですが…)。
余韻や膨らみ、時間経過の伸びを重視するなら無濾過、シャンとした酒、舌の上での美味しさ重視ならSF濾過が良いと思います。
#Tasting
香り…麹の甘香、乳製品、バニラアイスのような温かい香り、時間が立つとエステリー
味…甘さはないが厚みを感じる。酸を伴った甘み。甘酸っぱい。やや鋭角な酸。少し吟香、例年のイソアミル系(バナナ)ではなく6号の含み香、それも遅れてくる。印象はウォームだが若い。
アフター…やや苦味、ほのかに木香、カラい。まだ早い印象。
#Information
原材料名 | 米・米こうじ |
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原料米 | 奥出雲産改良雄町 |
アルコール | 15.3度 |
精米歩合 | 70% |
生酛造り
酵母 無添加
B +5
TA/AA 1.9/1.4
1火 15℃以下瓶貯蔵