R5BY 純米無濾過生原酒

#Concept
◎23.12月・24.1月日付 第一弾 純米生原酒
【R5BY】天穏 純米無濾過生原酒 五百万石60%/つや姫60% 酵母7号 アルコール分17%
白ラベルになる酒の生酒です。
5BYは9月中旬から酒母立てをして、醪は10月上旬からはじめて現段階で3本ほど搾っている状態です。
私の酒造りは酒母日数も醪日数も長いので、早く始めたわりにはまだぜんぜん酒ができていません。しかし醪は15本くらい抱えており、12月に入る頃には純米生の原酒がたくさんできてくると思います。
今季のテーマとしては島根らしさのある酒ができたらいいなと考えています。
夏に杜氏組合の品評会があり、そこで審査員をしたのですが、テイスティングしていく中で奥出雲酒造さん、米田酒造さん(豊の秋)の酒がなんだか非常に心に沁みました。それは酒質的に素晴らしいこともありますが、なんだかとても島根らしいな、懐かしいなという感覚になりました。
自分らしい酒は造れている気がします。しかしそれが島根らしいかと考えると疑問です。同じ出雲杜氏組合の杜氏である奥出雲の森井杜氏、豊の秋の上濱杜氏が島根らしい酒を造っているから、私も今のような酒ができるんだなと思うようになり、私も島根らしさの一端を酒の中に落とし込みたいと思うようになってきました。
この島根らしさや懐かしさは、おそらく麹が作り出すアミノ酸に起因していると予測できます。麹はその土地の気候風土の湿度を敏感に感知して、それに適応した菌糸の伸ばし方をします。
島根県は湿度が高く、麹室の湿度も上がるために表面菌糸が増えて、αアミラーゼとプロテアーゼの高い麹になる傾向があります。加えて出麹乾燥時も湿度が高いためにしっかり枯らせずに軟質な麹になりやすい。これが芳醇な島根の酒に繋がっていると感じます。
この要素をレギュラー製品に付与しようということで、5BYは白ラベル、馨の麹造りを少し島根寄りにして醸造しています。突きハゼ3日麹は継続しながら島根らしい少し柔和な麹に仕上げています。まだ搾っていないので、どのようなものになっていくかはまだまだ未知数ですが楽しみにしています。
加えて5BYは麹由来のLアミノ酸と乳酸発酵のDアミノ酸を強化する取り組みも進めていこうと考えています。もちろん添加するのではなく、真っ当な醸造方法で増やします。
以前から、余韻やイトナミ、持続する幸福感と言ったことをお伝えしていますが、その正体はやはりアミノ酸です(厳密には窒素原子N)。人間および有機生物はアミノ酸の分解と合成を同時に行うことで命を維持し、窒素原子のやり取りによって自身と環境とのコミュニケーションを測って動的な生命(すなわち自然)を体感しています。具体的には空気、水、土、動植物とその環境が窒素を媒介していますので、これらすべてを利用する日本酒醸造は概念的にも現実的にもまさしく生命のイトナミの結晶です。
糖と香り主体の酒からアミノ酸主体の酒へ移行していくことは、日本酒(およびアルコール飲料)にとってもこれからの現代を生きる人間にとっても自然環境にとても重要なことなので、いずれアミノ酸についてもご説明できたらと思います。
◎24.2月日付 第二弾 純米生原酒
【R5BY】天穏 純米 無濾過 生原酒 五百万石60%/つや姫60% 速醸6・7号+生酛無添加
アルコール分17.1% 日本酒度 +7 酸度 2.0
生原酒の第二弾です。今回は33%ほど生酛がブレンドされています。いろいろ試しましたがこの比率が一番良かったです。
バランスと厚みが向上して酒出ししたときから良い酒でした。
速醸(白ラベル)は+8/17.8%で、生酛の方がアルコールが高くて酒度は少し低めで+6/18.5%くらいが平均でした。
#Tasting
第2弾 純米生原酒
香・・・エステル、イソアミル、甘い麹の香り、藁やアルコールの草っぽい香り、そそる香り
味・・・綺麗さ、甘味、さっぱりと青い4mmp(マスカット)、厚み、乳酸、塩?、麹の旨味と香りと強さ、度数より迫力を感じる、苦味と薫香もそれが杯を誘う懐かしい香り
入り綺麗で後半は迫力がある強さ。飲んでいくと生酛の厚みと麹の旨味や甘味が包んでくれてなんだかとても飲めてしまう酒でした。
#Information
原材料名 | 米・米こうじ |
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原料米 | 麹米:奥出雲産五百万石 掛米:島根県産つや姫 |
アルコール | 度 |
精米歩合 | 60% |