もくず
無窮天穏 天啓 生酛純米大吟醸 改良雄町
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#Concept

【H29BY】無窮天穏 天啓 てんけい 生酛純米大吟醸 改良雄町 

改良雄町の生酛純米大吟醸です。サクラ、天頂と大きく違う点は三日麹を採用している点です(30BYより天頂も齋蔵も三日麹)。

この酒の名前の「天啓」とは、神などから与えられたお告げ、天の教え、導きという意味があります。

天穏の蔵の構造と受け継がれた技術から山陰吟醸を見つけ、無添加の生酛を行い、麹では温度計と常識的な温度管理をやめ、仲仕事・仕舞仕事といったものにとらわれず、麹と向き合いながら自然と辿りつ着いた三日麹。

これら全て蔵や酒と常に対峙し想像することで自然と降りてきたものだと感じます。

山陰吟醸×生酛×三日麹。いま30BYで取り組んでいることのベースがここにあります。

現代の造りは常識からかなり外れたところにあります。

今まで語られて来た酒造りのことや教科書に載っている経過事例の多くは普通酒の作り方か大吟醸の造り方であり、純米酒や吟醸酒の正しい造り方はほとんど提示されていません。

あったとしてもそれらは実際に酒を造ってきた杜氏たちの言葉ではありませんから、やはり通説にとらわれず、眼の前にある酒や麹に合わせ行動することを強く意識して酒造りをすることは本質的でしょう。

このことが今の天穏の酒の山陰吟醸や生酛・山廃の蔵付き酵母や三日麹のような独自性に大きく繋がってきました。

数値ではなく目の前の事象をもとに酒造りを行うことの重要性を強く感じます。このとこが祈りの代わりとなり、天啓、齋香、齋蔵のような言葉に繋がっていくのでしょう。

天穏の酒造りは、「酒造り」の本質と未来を捉えつつあります。

#Tasting

うわ立ち香は酢イソ系の酸を伴った吟香と米麹の優しい甘い香り、エステル、高級アルコールの芳香があります。清らかで細かい密度のある質感に酵母由来の酸味と米麹の旨さと吟味が感じられます。

飲み込むと米麹の深い甘みと旨さが持続し、芳香が鼻腔に留まります。天頂の浸透していく旨さに対し、天啓は口内と鼻腔の味わいの高さが強いタイプです。

この辺りはやはり山田錦と雄町の胴割れの違いから来ていると思います。

深く浸透する味わいは胴割れが少なく醪の長い山田錦がやはりよく、佐香錦や雄町のような割れの多い米は溶けの速さと総ハゼ気味になりやすく醪が短いため味の打点の高さがでるように思います。

佐香は胴割れが多くても早稲品種で味が出過ぎないし苦渋も少ないので清らかなニュアンスが出やすいのでかなり個性的に感じます。

今回の天啓、改良雄町は割れやすい晩稲の軟質米に加え三日麹なので燗酒の伸び幅も大きく変化に飛んだ面白い一本なのではないかと思います。

#Information

原材料名 米・米こうじ
原料米 奥出雲産改良雄町
アルコール 17度
精米歩合 50%