R6BY 無窮天穏 天頂 てっぺん
#Concept
【R6BY】無窮天穏 天頂 てっぺん 生酛純米大吟醸原酒 山田錦40%(島根県産)
5BY天頂は売切につき年度切替です。製造としては無窮天穏シリーズと同様です。
この天頂は島根県産山田錦40%で少量仕込みのため、他の製品と違い、洗米、蒸上げまで全て出雲北山山系の仕込水を使っています。出雲北山は古くは出雲御崎山(いずもみさきやま)と呼ばれ、出雲大社裏の禁足地である八雲山、弥山(みせん)、鼻高山などの山がつらなっています。
出雲御崎山(出雲北山山系)には出雲大社よりも遥かに古い日御碕神社、月読神社、対象不明の御陵、磐座が点在しており、多くの信仰を集めていた様子がうかがいしれます。海洋民に不可欠な腐らない山水の供給地であり、それらの時代の太陽信仰の名残り、そしてその後の穀物国家の神名火山としての機能や祖霊信仰の墓としての性質も持ち合わせる稀有な山としてひっそりとその営みを継続させています。
土地の営みの記憶は水と土と空に溶け、私たちにその含有成分として伝えられるものですから、無窮天穏の最高峰である天頂ではこのような歴史と伝統ある山水を全量仕様という考えで無濾過生水の状態で全量使用しています。
酒作りにおいては、仕込水の比率が高いことで米にミネラルが供給され、麹の成育やもろみでの酵母増殖に影響が与えられます。どちらも育成が進みやすくなりますので、40%でもしっかりとした旨味や酸が出てくることを期待して行いました。
米を蒸すと吸水率は最終的に約140%となりますから、米1000kが吸水する水は約400Lです。この水が仕込水か浄水なのかは割と大きな違いですね。
もちろんこの吸水量に対してミネラル分が比例的に吸収されるかどうかはまた別の話ですが、通常よりも多くのミネラル分が醪に供給されるのは確かでしょう。
そして天頂は0.9%加水した原酒で製品化しています。仕込水を少量加水するのは並行複発酵で枯渇したミネラルを補うためです。それでも人間の口に含むものとして日本酒の成分にはミネラル分が足りないため、言い換えれば塩などのミネラル分を多く含む食材(海産物)や料理と好相性ですね。
日本酒のミネラル総量はワインの約1/10となっています。しかしアミノ酸量は日本酒のほうが5倍以上なので、実は日本酒とワインは互いを埋め合う関係にあり、ワインを飲みながら日本酒を飲み、日本酒を飲みながらワインを飲むと相性が良い事がわかります。
ということで天頂は酒としての存在が完成形に近いので、そのまま天頂という名を冠するに相応といえる酒造りをして、成分もその様になっているのではないかと思っています。
日本酒の範囲というより酒類全体として、本格的に旨い真実の酒ではないかなと思いました。醸造酒と蒸留酒の両方の性質が共存しているように感じます。こういう矛盾と同一を同時に満たす酒は大好きです。まさしく出雲らしい縁起的日本酒です。
香:イソアミル、とてもエステリー、芳香、4MMP(マスカット)、米麹の甘い香り、無窮天穏らしい柔らかな香り
味:やわらかく強い、マスカットの吟味、米麹の強い旨味、塩味、ゴク味、渋み、酸、ハードリカーの余韻
香りは柔らかくも大吟醸らしい(天穏の中で)。味わいは強く、格と迫力がある。味わうとマスカットの繊細な香り、ミネラル的なテイスト、酵母系の酸と乳酸の強い酸、アルコールの強いフィネスと余韻があってドライな旨さのある蒸留酒的醸造酒。高級アルコール(重渋)や脂肪酸(油粘土)のような重さがなく、軽いのに力強いハイブリッドな本格的な酒で真実の酒だと思った。
#Tasting
#Information
| 原材料名 | 米、米こうじ |
|---|---|
| 原料米 | 山田錦 |
| アルコール | 16.6度 |
| 精米歩合 | 40% |





