さ
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#Concept

 【R3BY】 無窮天穏 齋香 生酛大吟醸 佐香錦 50% 斐伊川マコモ和紙   

 

 
H2BYがひとつの到達点。さらに先を目指せるように。 
 
 
昨年は50%にリニューアルし、酒造りの出来も良く、多くの反響をいただきました。私も理想としている味わいに近づいた感覚を得ましたので、今季もこれに近づけるようにと醸造しました。
 
 
ただ2BYとまるで同じでは面白くないので、齋香用のモロミ3本のうちの1本の麹造りを蔵人の上山に担当してもらい、また違う何かを得ようとしています。この齋香は、私の酒造りを色濃く反映している酒です。

 

私が造って上手くいけばH2BYのような酒になるということがわかった反面、私が造らなかったらどうなるのか?というところも気になる点です。
 
 
私が長崎杜氏や坂本杜氏の酒造りを考えて造ったSAGAのように、自分で自分を造るよりも、誰かが私を思って造る物のほうが、よりその人を表現できるということもあると思います。
 
 
 
責任の持てる蔵人には、天穏のという銘柄の表現の一部として無窮天穏の酒も任せるようにしていきたいと考えています(上山が担当した無窮天穏も年末に出します)。
 

 
それに加え、今年の溶けの早い米質の影響で、麹のハゼ込みがかなり強く、それに伴ってモロミの経過も変わり、H2BYとはまた違った齋香になっています。
 
 
 
 
清らかな酒でありつつ、味わいが豊かな方に寄ったので、その分、清らかさがありながら分かりやすい酒になったと思います。今季の全体的な傾向です。
 
 

 
 
今期を振り返るとH3BYは、米も人も状況も世の中もかなりきつい年でした。そんな時に齋香の御神酒を造るという醸造方針は胸に突き刺さるような気づきを与えてくれます。
 
 
 
辛い環境の中でもこのような酒造りを行い、酒とはなにか、なぜ人は酒を作り、酒を飲むのかを本質を追求することで、私は最近、とても大きな気付きを得ることができました。
 
 
 
酒の正体とその酒を造る方法。オミキ、イトナミに続く、新たなキーワードを基に、H4BYは大きな飛躍が出来ると確信しています(またコラムにまとめます)。
 
 
 
 
清らかな詩を生み出すには、綺麗な水を飲める環境にいなくてはいけません。来季を見据え、安定した酒造りを保つ仕組みをしっかり構築していきたいと思います。
 
 
 

 

        

                 

 ・無窮天穏シリーズで最も清らかな酒、御神酒を目指した酒造り                

 ・齋香 酒造理念 おさらいは1番下部に記載、もしくは小島杜氏のコラム「日本酒ってなあに1~6」へ      

                                 

 コンセプトは従来と変わらず、

齋(サ)…清らかな、香(ケ)…供え物の通り、

天穏に出来るもっとも清らかな酒造り=御神酒造りをテーマに製造しています。                

                 

 

 ・御神酒を目指した酒造り                

 御神酒とは…神(土地・先祖)から頂いたお米に対して感謝の祈りを捧げるために作られるお供え物。神を具現化し、五感で体感できる形にしたもの。                

 御神酒を飲み、神を体感することで人々は神(土地と先祖)を共有することが出来る。神を共有した者同士は群れとなり集団の力で効率的に作物や子孫を造ることが出来る。                

                 

 

 御神酒造り=山陰吟醸吟醸造り✕酵母無添加の生もと系酒母✕突きハゼ3日麹                

                 

 感謝の祈りを捧げる酒…洗練させること。より良くすること。選別すること。  例:漁師やマタギが獲物の心臓(最上の部分)を神に捧げる行為。捧げるとまた貰える。返報性の原理を果たす。                

 具体的な酒造方法→米の外側を粕に、米の内側を酒にする山陰吟醸造りで酒の綺麗さを追求。頂いた米を更に取捨選択することで洗練させている。                

                 

 群れをつくる酒、未来を造る酒…嗜好的になりすぎない(好き嫌いを生まない)、どちらでもありどちらでもない中庸であること、元気がでる酒、他者の存在を感じる酒                

 具体的な酒造方法→3日麹による深い味わい(麹由来のアミノ酸を増やす)、生酛による乳酸菌追加、酵母無添加で酵母ブレンドさせる、酒に対する酵母の味の支配率を下げる。                

 酵母無添加による酵母ブレンド=寄せ鍋理論…いろんな出汁が混ざったほうが誰にとっても美味しいものになる。かつお出汁だけ…魚臭い、昆布だしだけ…薄く感じる、鰹と昆布…うまい。                

 日本酒の味要素…米、麹、水、酵母、乳酸菌、造り。現代の酒は酵母由来の味が強すぎて他の要素を感じにくく嗜好的。無添加&酵母ブレンドにして酵母の支配率を下げ他も活かす。                


 
 

 
 

#Tasting

香り・・・無窮系の乳酸とバニラと吟香が合わさったような甘い香り、水の香り


味・・・清く、柔らかい、密度の詰まった絹のような舌触り、その中に乳酸、吟味、ミルキーキャンディ、柑橘系と洋梨のような香り、硬質な水の香り、後半にじわじわと麹の旨味。ほんの微かに木香か薫香。絞ったときの印象より断然良くなっていた。時間の経過でどんどん良くなる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
       

            

#Information

原材料名 米・米こうじ
原料米 奥出雲産佐香錦
アルコール 15.8度
精米歩合 50%

さか

 

なぜ人は酒を造るのか、なぜ人は酒を飲むのか。

 

そのことが分かっていれば酒造りや蔵の方法性などあらゆる場面で正しい判断ができるのではないかと 日々、漠然と考えていました。

そんな時、呑み切り会で講演していただいた万九千神社の錦田宮司にお会いして話を伺い、さらに民俗学者の神崎先生のお話で酒造りの本来の意味が分かってきました。

米は食料であり金であり富の象徴です。

 

日本人は米を主食とすることを悲願とし、努力し、祈ってきた民族です。過去の稲作の過酷さは想像に難しくありません。

天候に収量が大きく左右される稲作において、米は人知が及ばない自然の恵みです。最終的に人間が出来る事は神(自然)に豊作を祈ることだけだったと思います。

その祈るという行為を最も形として表したものが酒です。

 

自然の恵みである米を人の手によって酒にして、その酒を神に供え、恵みを感謝し、豊穣を願い、お祭りをする。 酒のほかにも様々な御供え物があったと思いますが、日本人にとって最高の食材は米であり、米(食)、もち(保存食)、酒(飲物)の3つは最高の御供え物です。

 

特にその中でも人の手がかかり、神聖なものとされているものが酒で、微生物を知らなかった時代では失敗の可能性もあり、酒も稲作と同じように神秘の世界です。

自然の恵みを用い、神の力を借りて米を酒にする酒造りは、日本人が神様や自然に対して出来る最高の行いである。そういっても過言ではないような気がしてしまいます。

 

神崎先生のお話で酒の「さ」は「齋」。「け」は「食、香、供」だという話がありました。

「齋」は清浄な、無垢な、神聖なという意味があり、「食、香、供」はそのまま食べ物、供え物の意味があるそうです。

 

色々な説があると思いますが、清らかな御供え物。酒造りの職人としてこれ以上ない非常に納得のいく名前です。

 

「酒造りとは豊穣や繁栄を願った日本人が、神や自然に対して出来る最高な行いであり、そうしてできる清らかな御供え物が齋香である。」 私このことが自然に素直に頭に入ってきて、どんな酒をこれから造っていくか見えてきました。

 

人々の祈りや想いの代弁者として、その年の米を使い、清らかな酒を造り、それを自然に返す。

このことこそ酒造りの本質であり、そうしてできる酒が齋香であると思いました。 齋香(さけ)とは祈りの行為であり、最高のお供え物。だから最高に手をかけて清らかな酒を造る。

そして天穏とは天のように穏やかな酒。天が穏やかにと願う酒。それは齋香をつくり豊穣や繁栄を願う事と同意です。天穏は齋香を造る蔵になります。

神の御下がりの齋香を飲むことによって自然の力を取り込み、気が晴れ、心が浄化され、酔い、その効果で身分や年齢、性別を超えて互いに 直り合い日々の生活における地域の人間関係の円滑を図る。

米と酒を通じ、人と自然の調和を図ることが本来の酒蔵の大きな役割なのかもしれません。

 

27by齋香 2016年酒販店案内文より転記

さいのかみ