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#Concept

 【R2BY】 無窮天穏 齋香 生酛大吟醸 佐香錦 50% 斐伊川マコモ和紙            

                 

 ・無窮天穏シリーズで最も清らかな酒、御神酒を目指した酒造り                

 ・齋香 酒造理念 おさらいは1番下部に記載、もしくは小島杜氏のコラム「日本酒ってなあに1~6」へ      

                 

 齋香を従来の60%から50%に変更しました。以前に製造していた齋蔵(さくら)と同スペックということで、齋香と齋蔵が統合したと考えていただくと良いかもしれません。                

 コンセプトは従来と変わらず、

齋(サ)…清らかな、香(ケ)…供え物の通り、

天穏に出来るもっとも清らかな酒造り=御神酒造りをテーマに製造しています。                

                 

 格上げということで、齋香の値段が上がり申し訳ありません。齋香は今の天穏の酒造りを深く理解できるような象徴的な1本にしたいので 、今まで以上に清らかな酒を表現できる50%への移行させます。

2BYの齋香のクオリティはそのことを納得していただける内容であると感じています。                

           

 ・御神酒を目指した酒造り                

 御神酒とは…神(土地・先祖)から頂いたお米に対して感謝の祈りを捧げるために作られるお供え物。神を具現化し、五感で体感できる形にしたもの。                

 御神酒を飲み、神を体感することで人々は神(土地と先祖)を共有することが出来る。神を共有した者同士は群れとなり集団の力で効率的に作物や子孫を造ることが出来る。                

                 

 

 御神酒造り=山陰吟醸吟醸造り✕酵母無添加の生もと系酒母✕突きハゼ3日麹                

                 

 感謝の祈りを捧げる酒…洗練させること。より良くすること。選別すること。  例:漁師やマタギが獲物の心臓(最上の部分)を神に捧げる行為。捧げるとまた貰える。返報性の原理を果たす。                

 具体的な酒造方法→米の外側を粕に、米の内側を酒にする山陰吟醸造りで酒の綺麗さを追求。頂いた米を更に取捨選択することで洗練させている。                

                 

 群れをつくる酒、未来を造る酒…嗜好的になりすぎない(好き嫌いを生まない)、どちらでもありどちらでもない中庸であること、元気がでる酒、他者の存在を感じる酒                

 具体的な酒造方法→3日麹による深い味わい(麹由来のアミノ酸を増やす)、生酛による乳酸菌追加、酵母無添加で酵母ブレンドさせる、酒に対する酵母の味の支配率を下げる。                

 酵母無添加による酵母ブレンド=寄せ鍋理論…いろんな出汁が混ざったほうが誰にとっても美味しいものになる。かつお出汁だけ…魚臭い、昆布だしだけ…薄く感じる、鰹と昆布…うまい。                

 日本酒の味要素…米、麹、水、酵母、乳酸菌、造り。現代の酒は酵母由来の味が強すぎて他の要素を感じにくく嗜好的。無添加&酵母ブレンドにして酵母の支配率を下げ他も活かす。                

 

 

#Tasting

       

 香り…エステル、米麹、ミルキー、バナナ、白桃をまろやかに包んだ香り、鼻腔に浸透する深い香り。                

 味…とても綺麗でなめらか。佐香錦の清らかな質感に甘く感じるほど米麹の旨味と乳酸のミルキーさきめ細かく詰まっている。後半にはしっかりと生酛とアルコールのフィネスがある。                

 開けたては清らかさと白桃やマスカットを感じる、日が経つと米麹と乳酸の旨味が凝縮し絹のような質感で伸びてくる。秋の呑切りで2BY最高点つけました(1位齋香・2位天頂・3位雄町純大)。                

#Information

原材料名 米・米こうじ
原料米 奥出雲産佐香錦
アルコール 15.7度
精米歩合 50%

さか

 

なぜ人は酒を造るのか、なぜ人は酒を飲むのか。

 

そのことが分かっていれば酒造りや蔵の方法性などあらゆる場面で正しい判断ができるのではないかと 日々、漠然と考えていました。

そんな時、呑み切り会で講演していただいた万九千神社の錦田宮司にお会いして話を伺い、さらに民俗学者の神崎先生のお話で酒造りの本来の意味が分かってきました。

米は食料であり金であり富の象徴です。

 

日本人は米を主食とすることを悲願とし、努力し、祈ってきた民族です。過去の稲作の過酷さは想像に難しくありません。

天候に収量が大きく左右される稲作において、米は人知が及ばない自然の恵みです。最終的に人間が出来る事は神(自然)に豊作を祈ることだけだったと思います。

その祈るという行為を最も形として表したものが酒です。

 

自然の恵みである米を人の手によって酒にして、その酒を神に供え、恵みを感謝し、豊穣を願い、お祭りをする。 酒のほかにも様々な御供え物があったと思いますが、日本人にとって最高の食材は米であり、米(食)、もち(保存食)、酒(飲物)の3つは最高の御供え物です。

 

特にその中でも人の手がかかり、神聖なものとされているものが酒で、微生物を知らなかった時代では失敗の可能性もあり、酒も稲作と同じように神秘の世界です。

自然の恵みを用い、神の力を借りて米を酒にする酒造りは、日本人が神様や自然に対して出来る最高の行いである。そういっても過言ではないような気がしてしまいます。

 

神崎先生のお話で酒の「さ」は「齋」。「け」は「食、香、供」だという話がありました。

「齋」は清浄な、無垢な、神聖なという意味があり、「食、香、供」はそのまま食べ物、供え物の意味があるそうです。

 

色々な説があると思いますが、清らかな御供え物。酒造りの職人としてこれ以上ない非常に納得のいく名前です。

 

「酒造りとは豊穣や繁栄を願った日本人が、神や自然に対して出来る最高な行いであり、そうしてできる清らかな御供え物が齋香である。」 私このことが自然に素直に頭に入ってきて、どんな酒をこれから造っていくか見えてきました。

 

人々の祈りや想いの代弁者として、その年の米を使い、清らかな酒を造り、それを自然に返す。

このことこそ酒造りの本質であり、そうしてできる酒が齋香であると思いました。 齋香(さけ)とは祈りの行為であり、最高のお供え物。だから最高に手をかけて清らかな酒を造る。

そして天穏とは天のように穏やかな酒。天が穏やかにと願う酒。それは齋香をつくり豊穣や繁栄を願う事と同意です。天穏は齋香を造る蔵になります。

神の御下がりの齋香を飲むことによって自然の力を取り込み、気が晴れ、心が浄化され、酔い、その効果で身分や年齢、性別を超えて互いに 直り合い日々の生活における地域の人間関係の円滑を図る。

米と酒を通じ、人と自然の調和を図ることが本来の酒蔵の大きな役割なのかもしれません。

 

27by齋香 2016年酒販店案内文より転記

さいのかみ